2014年1月13日月曜日

きれいな男16話(最終話)あらすじ&日本語訳vol.1

チャン・グンソク、IU、イ・ジャンウ出演「綺麗な男」16話、いよいよ最終回です。


彼の手はいつだって柔らかく温かく、彼女を包んだ

+-+-+-+

大好きなマテの巨大な写真をバックに、ボトンは幸せそうに微笑んだ

ボトン:
제가 생각해도 좀 철은 없어 보이죠.
근데 사랑이라는 게 원래 좀 철이 없는 게 아닌가 ?
저는 그래요.
상대방을 왜 사랑하냐고 물어보는 것 자체가 좀... 이상한 질문인 거 같아요.
잘생겨서 자상해서 능력이 많아서 식구들한테 잘해서
그래서 사랑하게 되는 건 아니잖아요.
물론 저도 마테오빠 미모에 반한 건 사실이에요.
잘생겼잖아요!
근데 뭐 꼭 그거 하나 때문에 제가 16살 때무터 지금까지 쭉 마테오빠만 바라봐 온 건 아니에요.
自分でも節操がないって思いますよ。
だけど、愛っていうのは元々そういうものじゃないかな?
私はそうです。
どうしてその人が好きなのか、訊くこと自体ちょっと…違和感があって。
イケメンだから、マメだから、仕事ができるから、家族によくしてくれるから…
それで愛するようになるわけじゃないでしょう?
もちろん、私だってマテオッパの美貌に落ちたのは事実ですよ。
(写真を指し)イケメンでしょ?
だけど、それだけで私が16歳のときから今までずっと、マテオッパだけを見つめてきたんじゃないんです。

「うーん」ボトンは立ち上がり、マテの写真を眺める。

ボトン:
오빠가 웃는 게 좋아요.
오빠가 한숨 쉬면 난 막 땅을 꺼질 것 같고...
그래서 뭐든지 다 해주고 싶어요.
오빠 웃을 수 있게...
オッパが笑ってるのが好き。
オッパが溜息ついてると、私、まるでこの世の終わりみたいな気がして…
だから何でもしてあげたいんです。
オッパが笑っていられるように…

【第9の女 俺だけを愛する女 ボトン】



ボトン:
이런 거 사랑인가?
そういうのを愛っていうのかな?

+-+-+-+

マテのマンションを出たボトンは、放心状態で歩いていた。
涙を流し、ふらふらと歩く彼女を、すれ違う人が皆振り返っていく。
マテと出会ってから今までのことが、ボトンの心の中に浮かんでは消えた。



「これは間違いなく運命!」
「(やけどしたボトンを担ぎ)痕が残る。病院に行くんだ」
「(服をプレゼントし)恵まれない人への寄付だ」
「キム・ボトン、お前は俺が守る。俺がな」
「そこに立ってろ。…これからは俺が行くから」



彼女の足はそれ以上前に進むことが出来ず、そこで歩みを止める。
その場に座り込むと、ボトンは声を上げて泣いた。

+-+-+-+

彼女の前で無残に破り捨てた大事な写真を、マテは拾い集めてもう一度つなぎ合わせた。

プレゼントするはずだった指輪のケースを開けてみる。
マテの頬を涙が静かに伝った。

+-+-+-+

マテがキソクの元を訪ねていた。

キソク「暗号を見つけたそうだな」
マテ「えぇ、見つけました」

キソクが姿勢を正した。

キソク「暗号は何だ?」
マテ「キム・ボトン。ボトンです」

キソクの顔がパッと明るくなる。

キソク「見つけたんだな」
マテ「…。」
キソク「お母さんが褒めてくれるだろう」
マテ「…。」
キソク「それなのに、どうして連れて来なかったんだ?」
マテ「連れては来られませんでした」
キソク「…。」
マテ「暗号は僕のそばにいるより、向こうにいるほうが幸せです」

~~マテは病院で迎えた朝、廊下でダビデと言葉を交わしていた。

マテ:
세상 남자들 나빼고 다 위험한 놈이라고 생각했는데
내가 제일 위험한 놈이었어요.
보통이한테...
팀장님 말처럼 내 옆에 있는 보통이는 자꾸 울게 되고 다치게 되네요.
이제...이젠 그만 울리고 그만 다치게 하고 싶어요.
世の中の男は、自分以外みんな危険なやつだと思ってたけど、
一番危険なのは僕自身でした。
ボトンにとって…。
チーム長が言うとおり、僕のそばにいるボトンは度々泣いて、傷つくんです。
もう…これ以上泣かせたり傷つけるのは終わりにしたい。

ダビデ:


マテ:
믿고 보내 줄 남자가 팀장님 밖에 없어요.
信じて託すことができる人は…チーム長しかいないんです。

そう言って、マテはダビデを見つめた。



~~

キソク「連れて来ていれば100点なんだがなぁ」

マテがまっすぐにキソクを見つめる。

キソク「連れて来なかったから…200点だ」



マテを見るキソクの目はどこまでも温かった。

+-+-+-+

ダビデはボトンの家のリビングで落ち着かない様子でいた。
そこへボトンの部屋から母親が出てくる。

母「まだ具合が悪いみたい。ずっと横になってばかりでね」
ダビデ「…。」
母「一人でいたいって。元気になったら連絡しますから」
ダビデ「何か食べてはいるんですか?」
母「何も口にしやしないよ。こんなこと一度もなかった子なのに」
ダビデ「僕が何か買ってきます」
母「いいんですよ、私がするから」

ボトンの母はダビデの顔を見て心配そうに顔を曇らせた。

母「チーム長だってすっかり元気なくしちゃって」
ダビデ「…。」
母「早く帰って休んでくださいな。ね?」
ダビデ「…。」

ダビデはボトンの部屋を見つめ、もどかしそうに溜息をついた。

+-+-+-+

ダビデがボトンのマンションから出てくると、停めてあった車に乗り込み、帰っていく。
陰からそっとマテがそれを見送った。

マテ「…。」

どんなに傷ついているだろう。
居ても立ってもいられず、ここまでやって来たものの、マテはここからボトンの家を見上げることしかできない。

+-+-+-+

ボトンはベッドでぼんやりと時間をやり過ごしていた。

母「何か食べたいものはないのかい?」
ボトン「…。」
母「はぁ、一体どうしたの?マテと何かあったのかい?」
ボトン「…。」
母「病気になったこともない子なのに、心配で堪らないよ。どうしたんだい?ボトン」

「お母さん、私、眠いよ」ボトンは呟いた。



母が出て行くと、ボトンの心の中にはまたマテの姿が浮かぶ。
「頼む。俺の人生から出て行ってくれ」彼は確かにそう言ったのだ…。


ボトン
오빠... 내 인생에는 오빠가 가득한데
나 어떡해야 되는 걸까...?
オッパ…私の人生はオッパで一杯なのに…
私、どうすればいいのかな…?

+-+-+-+

マテもまた、バーのカウンターでぼんやりしていた。
そこへやって来たヨミムが「早いのね」と声を掛ける。

マテ「…。」

ヨミムはマテの隣の席に滑り込んだ。

ヨミム「お酒飲もうなんて男の人に誘われたことなくて、超震えたわ」
マテ「…。」

ヨミムはマテの前にあるショットグラスをつまみ上げると、注いであった洋酒を一息に飲み干した。

ヨミム「知りたいのは何?」
マテ「ナ・ホンランという人…。その人に関することです」
ヨミム「…。」



+-+-+-+

ホンランは副会長室で優雅にお茶を口に運んだ。

ホンラン「人生の中で、チャンスはそう何度もやって来ません。一度くらいは、もっとマシな人生のために無理をすべきときもあります」

彼女の向かい側で話を聞いているのは…トクセンだ。
わかったようなわからないような、トクセンは戸惑った表情を見せた。

ホンラン「いつまで適性に合わない会社員の真似事をして生きるおつもり?」
トクセン「え?」
ホンラン「チャン・ドクセンと言いましたよね?」
トクセン「…。」
ホンラン「私が見るに、トクセンくんは雰囲気のいいワインバーなんかを運営するのがピッタリだと思うけれど」
トクセン「?」
ホンラン「ふふっ。どうです?私が江南のいい場所にバーを一つ出してあげるわ。そんなもの一つくらい何でもないことよ」
トクセン「…。」

「その代わり」とホンランが強調した。

ホンラン「トクセンくんはとても簡単なことだけしてくれればいいんです」
トクセン「僕が何をすれば?」
ホンラン「ボトン会社で進行中の次期ブランドの契約書、私に持ってきて」
トクセン「えぇ?!」

「そんなことしたらマテ兄が…」トクセンが困って下を向くと、ホンランは余裕のある笑みを浮かべる。

ホンラン「トッコ・マテがあなたの人生を救ってくれるかしら?それだからトクセンくんはずっと2番手の人生を送っているのよ」

#2番手でもないけどね

ホンラン「ベストなのは真っ当に成功することでしょう。だけど、時間が掛かりすぎるし、くたびれるわ。人生で一度くらい近道を通ってこそ、逆転があるんじゃないかしら」
トクセン「…。」

+-+-+-+

マテはヨミムの話を反芻していた。

ヨミム「ナ・ホンランは一番信じていた兄たちと一番愛した男から残酷に踏みにじられたんです。憎悪がナ・ホンランのエネルギーになってしまったの」

どうにかして道はないものか…。マテは考えあぐねた。

+-+-+-+

ダビデは壁の大きなボトンの写真を前に、携帯を取り出した。

ダビデ(電話)「テシク、お姉さんはどう?」
テシク(電話)「相変わらずで…。部屋から出ても来ないんです」
ダビデ「そうか…。分かった」

+-+-+-+

ダビデは無理やりボトンを起き上がらせると、温かい上着を着せた。

ボトン「チーム長…。私、休みたいんです」
ダビデ「気晴らしに行ってから休みましょう」
ボトン「…。」

「さぁ」ダビデはボトンを抱え上げる。「行こう!」
妙な気配を感じ、母と弟がやってくる。

母「何やってるの!」
ダビデ「僕、ボトンさんをさらって行きますね」

「ダメよ!」と叫ぶ母を取り押さえ、テシクが「そうだ!行け!」とダビデを送り出した。

テシク「連れてっちゃえ!(母に)あれほどの男がどこにいるんだよ!」
母「(息子を叩く)聞こえちまうだろ!!!」
テシク「わざと聞こえるように言ったんだけど」
母「…。」

+-+-+-+

ダビデはボトンを車の助手席に乗せると、シートベルトを締めてやる。

ボトン「チーム長、こんな時間にどこいくんですか?」
ダビデ「ゆっくり寝ててください。寝すぎて眠れないかな?」
ボトン「(溜息)私、家で…」
ダビデ「ボトンさん」
ボトン「…。」

ダビデはニッコリ笑うと自分のシートベルトを締めた。

+-+-+-+

ホンランが秘書に指示を与えた。

ホンラン「ボトン会社が契約したブランドに極秘に接触してください。我々側に販売ルートを移させるんです。ボトン会社よりも、無条件で3倍の契約金を提示してください。法的責任は全て我々がとると」

了解すると秘書が下がる。

ホンラン「…。」

+-+-+-+

ボトンが目を覚ますと、波の音が聞こえた。
静かに目を開け、外に視線を向けるボトンを、ダビデが静かに見守る。

ボトン「?」
ダビデ「プレゼントですよ」

ボトンは久しぶりに彼に微笑みかけると、ドアを開けて外へ出た。

冬の海は穏やかだった。
彼女はぼんやりと海を眺め、ふっと息をつく。

ボトン「気持ちいいな」
ダビデ「…。」
ボトン「オッパがね…」
ダビデ「?」
ボトン「もう自分の人生から出て行ってくれって」
ダビデ「…。」



そのまま彼女はじっと海を見つめる。
もう涙も出ないほど悲しみ尽くした彼女の横顔に、ダビデは掛ける言葉がなかった。

+-+-+-+

マテは着替えもせず、リビングのソファの上でうつらうつらしながら朝を迎えた。
ブラインドから一杯に差し込む柔らかい陽光をチラリとみやると、マテは裸足の指に視線を移す。
左足の小指だけに塗られている赤いペディキュア。

ボトンの足の爪を10本とも赤く染め、「俺のだ」と言ったのが随分前のことのように思える。

マテ「…。」



何もかもが重苦しく、マテは虚ろな目で小さく溜息をついた。

+-+-+-+

ダビデはボトンの手を取り、自分の方を向かせる。

ダビデ:
내가 옆에 있어 주면 안돼요?
僕がそばにいてあげちゃダメですか?

ボトン:
…。

ダビデ:
보통씨 마음에 내가 없어도 돼요.
ボトンさんの心に僕がいなくてもいいんです。

ボトンは首を横に振った。

ボトン:
못할 것 같애요.
出来そうにありません。

ダビデ:
…。

ボトン:
마테오빠 말고 다른 사람 사랑하는 거 나 못해.
マテオッパの他に違う人を愛するなんて…無理だわ。

ダビデ:
평생 다른 사람 생각하면서 살아도 돼요.
그냥 그렇게 할아버지 할머니가 돼도 나는 상관없어요.
一生他の人を思いながら生きたっていいんです。
ただそうやって…お爺さんとお婆さんになっても構わない。

ボトン:
만약에요...내가 나중에 다른 사람 사랑하게 되더라도
새끼발가락 하나 쯤은 남겨둘 것 같애요.
もしかして…私がそのうち他の人を愛することになったとしても
足の小指の爪くらいは…残すと思うんです。

ダビデ:
…。

ボトン:
마테오빠 사랑하는 마음 그 전도는...
그니까 팀장님...
マテオッパを愛する気持ち、そのくらいは…。
だから、チーム長…

ダビデ:
상관없다잖아요 !
構わないって言ってるんです!

ボトン:
…。

ダビデ:
왜 내꺼하지 않으냐고 내가 뭐라고 하지 않을게요.
나 욕심 부르지 않을게요.
그냥... 내 앞에 숨지만 마라요.
보통씨가 안 보이면은 나 숨도 쉴 수가 없어요.
どうして僕のものにならないんだとか、どうこう言ったりはしません。
僕は欲を出したりしませんから。
ただ…僕の前からいなくならないでください。
ボトンさんがいなかったら…僕は息もつけないんだ。

訴えるダビデを悲しげに見つめるボトンの目から、涙が零れ落ちた。

ボトン:
왜 그래? 팀장님.
どうしちゃったの?チーム長

ダビデ:
…。

ボトン:
그게 얼마나 힘든 일인데.
そんなのめちゃくちゃ辛いのに…。



俯いてしまったボトンを、たまらずにダビデは抱きしめた。

+-+-+-+

ダビデはボトンを彼女の部屋まで連れて帰ってくると、ベッドの端に座らせた。

ダビデ「何も考えないで、ゆっくり休むんですよ」
ボトン「…。」
ダビデ「僕は…会社サボったから始末書を出しに行かないと」

ボトンは何も言わず、ただ抜け殻のように彼を見つめる。

ダビデ「行きますね」

ダビデが出て行くと、ボトンは深い溜息をつき、壁のマテ像をゆっくり振り返った。

ボトン「ご飯…食べてますか?大丈夫?」

写真のマテは何も答えてはくれない。

ボトン「私がオッパの人生からいなくなったら、本当に幸せでいられるの?」

+-+-+-+

「どうしよう!」トヒが慌てているところに、ダビデがやって来た。

ダビデ「何かあったんですか?」
トヒ「社長が検察に召喚されたんです」
ダビデ「け、検察?!」

ダビデは慌てて社長室へ向かった。

ダビデ「検察に召還ってどうしてですか?」
マテ「さぁ…。株価操作だとか」
ダビデ「えぇ?!」
マテ「何もやましいことはないから、調査すればすぐ分かるでしょう」

トヒがやって来ておろおろと声を掛ける。

トヒ「新しくローンチするブランドの契約書が一つもないんです」
マテ「!!!」
トヒ「全部消えちゃいました」

マテが立ち上がった。

+-+-+-+

持ちだした契約書のページをホンランがゆっくりめくるのを、トクセンは不安げに見守っていた。
ホンランはファイルを閉じると、ニッコリと微笑みかける。

ホンラン「どこがいいかしら?場所はうちの秘書が探します。トクセンくんはしばらく旅行にも出掛けてはどう?」
トクセン「約束、守ってくれますよね?」
ホンラン「ふふっ。バーを1つ用意する約束くらいで、しらを切るつもりはないわ」

+-+-+-+

いきなりオフィスに入ってきた検察官が令状を提示した。
彼らは早速デスクや棚にあるものを片っ端から持ってきた箱に詰め始める。

この事件はすぐさま報じられた。

【SSホームショッピング 架空ブランドローンチで株価操作】

テレビ記者「SSホームショッピング代表であり、ボトン会社の代表であるトッコ・マテ氏が検察に出頭しました。海外の有名ブランドをローンチするという虚偽の情報を流し、SSグループとボトン会社の株価を急上昇させたと…」

+-+-+-+

取調室で検察官が机を叩いた。

検察官「我々が調査もせずに始めたと思ってるんですか?!業者への調べは全部終わってるんですよ!」
マテ「…。」
検察官「契約書が行き来したのは事実だがサインをしたことはない、担当者が退社して経緯がわからないと…」
マテ「…。」
検察官「そうなればね、虚偽情報を流しての株価操作は避けられませんよ!」
マテ「…。」

+-+-+-+

マテが検察に召喚されたニュースをボトンの母が見つけた。

母「何てことなの!マテが何したからって騒ぎになってるの?!」
弟「何かの間違いだろ。マテ兄は超優秀なのに、そんなことするわけない」

ボトンが慌てた表情で部屋から出てくる。

ボトン「!」
母「ちょっと、ボトン!」

ボトンは何も言わず駈け出した。

母&弟「どこいくんだ?!」

+-+-+-+

ボトンがやって来たのはダビデの部屋だ。

ボトン「違うんでしょう?オッパがそんなことするわけない!私たち、あのとき間違いなく契約したじゃないですか!!!」
ダビデ「証拠が全部消えてしまったんです」
ボトン「…。」

ボトンはダビデの袖を掴んだ手を離した。

ボトン「あの人の仕業だわ。ナ・ホンラン、どうして…どうしてオッパにそんなこと出来るの?!」
ダビデ「先方の業者にも連絡をとっているんです。一人でも証人を見つけて潔白を証明すればいい。待ってみましょう、ボトンさん」
ボトン「オッパは?オッパは大丈夫ですか?」
ダビデ「…。」
ボトン「チーム長、チーム長がオッパのそばにいてあげてくれませんか?」
ダビデ「…。」
ボトン「オッパ、辛すぎて変な気でも起こしたら大変なのに…私はオッパのそばにいけないんです」
ダビデ「…。」
ボトン「チーム長、本当に申し訳ないけど、オッパが嫌がってもチーム長がそばにいてあげてください。ね?お願いです、チーム長」

大きく見開いた目に涙を一杯にためて懇願するボトン。
彼女の前で、ダビデは溜息をついた。
彼女の手を引き、ソファーまで連れてくると、そこに座らせる。

「ボトンさん」ダビデは優しく呼びかけた。

ダビデ:
내 차에 보통이라고 이름 붙였다고 놀렸죠?
僕の車にボトンと名前をつけてたって茶化したでしょう?

ボトン:
팀장님, 지금...
チーム長、今そんなこと…

ダビデ:
독고사장은 자기 회사 이름을 보통이라고 지었어요.
トッコ社長はね、自分の会社の名前をボトンとつけたんです。

ボトン:
…。

ダビデ:
모르겠어요?
보통씨 좋아하는 내가 내 차에 이름 붙인 것 처럼 
독고사장도 자기 회사 이름을 보통이라고 지었어요.
分かりませんか?
ボトンさんのことが好きな僕が車に名前をつけたように、
トッコ社長も自分の会社の名前をボトンとつけたんですよ。

ボトン:
…。

ダビデはボトンの手を両手で大切に包んだ。

ダビデ:
예쁜 오빠가 표현을 잘 못하는 것 뿐이에요.
綺麗なオッパは…うまく表現できないだけなんです。

ボトン:
그럼 뭐해?
자기 인생에 나타나지도 말라는데.
だからって?
自分の人生に現れるなって言われたのに…。

ダビデは静かに笑う。

ダビデ:
바보네. 우리 보통씨 바보야.
バカだな…。ボトンさんはバカだ。

ボトン:


ダビデ:
보통씨.
독고사장 어머니가 남긴 유언 말이에요,
암호...
그 암호가... 그 암호가...
ボトンさん、
トッコ社長のお母さんが遺した遺言のことですけど…
暗号。
その暗号は…、その暗号は…

ダビデはなかなかその先が言えず、口ごもった。

ボトン:
…。

ダビデ:
...보통씨에요.
김보통.
…ボトンさんなんです。
キム・ボトン。

ボトン:
…?!

ボトンはただただ目を丸くして彼を見つめる。

ダビデ:
어머니가 왜 보통씨를 암호로 전했을까요?
독고사장 옆엔 보통씨가 있어야 행복한 걸 아시니까
독고사장 인생에 가장 소중한 사람 바로 보통씨니까...
그래서 암호로 남겼을 거에요.
お母さんはどうしてボトンさんを暗号にしたんでしょうか。
トッコ社長のそばにはボトンさんがいてこそ幸せなんだと、ご存知だったから…
トッコ社長の人生に一番大切な人がボトンさん、あなただから…
だから暗号に遺したんでしょう。

ボトン:
정말...내가 암호에요?
本当に…私が暗号なんですか?

ダビデ:
...미리 말 못해 줘서 미안해요.
내가 이 말하면 보통씨가 오빠한테 가버릴까 봐...
그래서 내가 욕심 좀 냈네...
…もっと早く言ってあげなくてすみません。
言ってしまったら、ボトンさんがオッパのところに言ってしまうんじゃないか…
それで欲が出てしまって…。

ボトン:
팀장님...
チーム長…

ダビデ:
오빠도 다 알고 있을 거에요.
보통씨가 암호라는 거.
オッパも全部分かってるはずです。
ボトンさんが暗号だって。

ボトン:
…。

ダビデ:
그러니까 얼른 오빠한테 가요.
지금 독고사장한테 가장 필요한 사람... 바로 보통씨에요.
だから、早くオッパのところに行ってください。
今、トッコ社長に一番必要な人は…ボトンさんなんだ。

ボトン:
팀장님... 나 진짜 가도 돼요?
チーム長…、私、本当に行ってもいいんですか?

ダビデの優しさに、ボトンの目からとめどなく涙が流れた。
ダビデは滲んでくる涙をこらえるように顔を逸らす。

ダビデ:
뭐, 태워다 달라 그런 말은 하지마요.
그래도 내 마지막 자존심은 지켜줘요.
送ってくれとか、そういうのはやめてくださいね。
少なくとも最後のプライドは守りたいんです。



ボトンは涙に体を震わせる。
何も言葉が出なかった。

ダビデ:
얼른 가 봐요.
지금 오빠 많이 힘들 거에요.
早く行って。
今、オッパはすごく辛いはずだから。

ボトン:
...미안헤요.
진짜 미안해요, 팀장님.
…ごめんなさい。
本当にごめんなさい、チーム長。

ダビデの見守る前でボトンは立ち上がる。
歩きかけて立ち止まると、気持ちを振り切るように目を閉じる。
再び目を開けると、彼女は強い足取りで階段を降りていった。

ダビデ:
…。

彼女の姿が目の前から消えた瞬間、こらえていた涙がダビデの目から溢れ出した。




ダビデ(声)
사랑할 만한 시기에 사랑할 만한 사람을 만난다는 건 참 드문 일이다...
人を愛する時期に、愛せる人に出会うことは、実に稀なことだ…。

+-+-+-+

ここで一旦区切ります…。





7 件のコメント:

  1. いつも読ませていただいてます。最近は読むと涙があふれてきます。『きれいな男』素晴らしいですね。ラストまでよろしくお願いします!

    返信削除
  2. ありがとうございます(*´ω`*)
    今は静かに ラストを待ちます。

    返信削除
  3. ハングルで書いて頂いてありがとうございます(*´ω`*)
    今、ハングルを書き写してます。

    胸がいっぱいです。。。

    ほんとに
    ほんとに ありがとうございます(*´ω`*)

    返信削除
  4. 最終話は特にちゃんと何て言っているのか知りたくて
    yujinaさんがこちらに載せて下さるのを心待ちにして
    いました。
    今まで、全てプリントアウトして小説の様に見ておりま
    す。
    残るのは16話後半のみ、それを読んだらで終わってし
    まうと思うと凄く寂しくなって、マテと会っていたくて、ま
    だまだ終わらない欲しい気持ちで一杯です。(yujinaさん
    は大変でしょうが・・・)
    でも、またプリントアウトした物をじっくり読み直し、楽しみ
    ますね。
    本当に楽しませて頂き感謝感謝です。
    もう一息、宜しくお願い致します。

    返信削除
  5. いつも訳をありがとうございます。
    楽しみに読ませていただいてます。
    会話だけでなく、背景の描写や感情の表現が素晴らしいといつも感心しています!
    終盤になってからは涙なしには読めませんでした。
    とうとうラストですね。
    どんな感動が待っているのでしょう?
    環境を整えてじっくり読ませていただきたいと思っています。
    よろしくお願いします(*^_^*)

    返信削除
  6. うすゆき草2014年1月13日 22:32

    ありがとうございます。16話後半楽しみです。いつもよませていただいてます。

    返信削除
  7. Yujinaさん こんばんは
    早くも 最終話ですね~ 本当にありがとうございます^^

    トッコマテが終わってしまうのが、寂しいのですが、
    Yujinaさんのあらすじを読ませて頂いてると
    大好きな小説を読んでいる時のような
    感覚に囚われて(もちろん嬉しい感覚です)
    一気に読みたくなっている自分に気付いて
    それが 終わってしまう事にも寂しさが・・

    今回も凄い展開になってて・・・
    マテもボトンもダビデも可哀想ですね

    ボトンのマテに対する思いが
    私たちの想いに通じるもののようで

    おっぱが笑っているのが好き・・
    のくだりから ハングルでも書いてくださって
    感激です 声に出して読んでいます(^^)
    ボトンどダビデのせつない会話とかも
    感謝 感謝です

    夜中までかかって、韓国将棋まで
    勉強されてたのですね。
    Yujinaさんには本当に頭がさがります。

    グンちゃんも休んでいる今
    Yujinaさんも休んでくださいね(^^)

    返信削除

記事を読んでくださってありがとうごございます。
コメントの際はお名前を入れてくださると嬉しいです。